機能の概要
今田引張圧縮試験機の機能をさらに拡張するための、各種のオプションを用意しています。機種により標準装備のものや、適用できないものがありますのでご注意ください。また、「付属器機」、「ソフトウェア」、「専用治具」がオプションとしてあります。詳細は、それぞれの記載ページをご覧ください。

(1)荷重
ロードセルを使用し、各荷重測定を行います。試験の測定領域は、通常、定格荷重の20%〜100%の範囲となっており、20%以下の試験の場合、レンジ追加で測定精度を上げます。今田引張圧縮試験機は、すべてJIS 1級試験機の荷重精度で製作しています。

(2)変位
材料の縦弾性係数(ヤング率)や、ばねの特性のように、荷重−変位の関係を調べる測定に必要です。SL-6001型荷重計を持つ試験機(NAシリーズ)は、変位量の測定ができます。変位は試験機の移動量を測り表示しますが、ロードセルのたわみ、試験機の剛性等により試験機の移動量とロードセルの先端に付けた治具の移動量にわずかな差がでます。NAシリーズの試験機では、この差を荷重に比例し補正する機能を持っています。

(3)速度
荷重の試験において、力を加える速度は、測定結果に大きく影響する場合があります。JIS等で規定する試験方法にも一般に試験速度が記載されています。SL-6001型荷重計を持つ試験機(NAシリーズ)では、切り替えボタンにより変位表示部に速度表示ができます。

(4)RS-232C出力
主にパソコンへのデータ取込み出力として使用します。関連ソフトウェア「Load Tester」「IHP-V」「ISP-W」は、このRS-232C出力からパソコンに取り込みます。
ご参考メモ
荷重試験での機械の速度は該当規格に従って決めますが、
概略下記をご参考にしてください。
@金属材料の引張--------5〜10mm/min
Aプラスチックの引張-----2〜500mm/min
Bセラミックの曲げ-------0.1〜1mm/min
Cゴムの引張-----------100〜500mm/min
Dはく離試験-----------300mm/min

(5)1サイクル動作機能
ロードセルを使用し、各荷重測定を行います。試験の測定領域は、通常、定格荷重の20%〜100%の範囲となっており、20%以下の試験の場合、レンジ追加で測定精度を上げます。今田引張圧縮試験機は、すべてJIS 1級試験機の荷重精度で製作しています。

(6)往復繰り返し機能
起動をかけることにより、「STOP」を押すまで上下限リミットスイッチ間を上下動する機能です。リミットスイッチ間の往復繰り返しは、SV-55C型及びプッシュプルスタンドを除く試験機に標準装備されています。上下限リミットスイッチの代わりに、荷重または変位のコンパレータを利用すれば、所定荷重間、または、所定変位間で連続繰り返し運転を行うこともできます。連続繰り返し運転を行う場合、プリセットカウンターを付け、所定回数で自動停止させるのが一般的です。コンパレータ、プリセットカウンター等は、往復繰り返し機能のある試験機にはオプション対応できますのでご相談ください。
※ 往復繰り返し動作機能は、数10回〜数100回の比較的回数の少ない繰り返し試験にのみ適用できます。連続使用時間も30分程度です。繰り返し試験回数が数万回になる試験には、専用の試験機をご検討ください。弊社にも、スイッチ耐久評価試験機等があります。

(7)長尺仕様(オプション)
SV型引張圧縮試験機の昇降軸を長くすることにより、上下のチャック間距離を大きく取ることができ、長い試料も試験可能になります。オプションの長尺仕様として、下記のものを用意しています。長尺仕様よりさらに長いものも特注仕様として製作できます。
機種 長さ
SV-55C型
SVZ-50NA型
標準より150mm長い
SV-201NA型
SV-301NA型
標準より100mm長い
※ 長尺仕様と「試料取付けスパン」の関係は、こちらに記載しております。

(8)長ストローク仕様(オプション)
SV型の標準ストロークは、500N以下の機種で130mm、1kN〜3kNの機種で150mmとなっています。ストロークを標準ストロークより大きくしたい場合、長ストロークオプションを選択します。SV型の長ストロークオプションは、全機種250mmとなります。
機種 標準ストローク 長ストローク
SV-55C型
130mm 250mm
SV-201NA型
SV-301NA型
150mm
※ 試料の長いものでも伸びの少ないものは、必ずしも長ストロークにする必要はありません。長尺仕様で十分な場合もあります。こちら「SV型引張圧縮試験機の試料取付けスパンについて」をご参照ください。
※ ストロークが250mmを超すものは、SV型以外の機種(SDT型・SVF型・SDWS型・SDW型)をご検討ください。

(9)レンジ追加
1台の試験機で荷重の大きなものから小さなものまで測定したい場合は、レンジを増設し、測定荷重に適したレンジで測定すれば、より高精度の測定ができます。レンジを増設した場合、レンジに見合うロードセルと交換し使用しますが、1/10程度の荷重はロードセルを替えずに1個のロードセルで十分実用的に使用できます。SL-6001型荷重変位計、SL-6501型荷重計は、最大4レンジまでレンジの増設が可能です。ただし、予め使用ロードセルと組み合わせて荷重校正をしておくことが必要ですのでご注意ください。
〔例〕
最大測定荷重5kNの試験機の場合、表示は「5000」で最小分解能は1Nになります。このとき、50.3Nを測定したくても測定値の表示は「50」となり、0.3Nは表示されません。そこで、表示「500.0」と最小分解能が0.1Nとなる500Nのレンジを追加すれば、測定の表示は50.3Nと読み取ることができます。

(10)破断検知機能
破断時、引張圧縮試験機を自動停止したり、自動反転したりする機能です。SL-6001型荷重変位計、SL-6501型荷重計を持つ引張圧縮試験機には標準装備しています。SL-6001型荷重変位計では、破断時の変位値をホールドする機能もあります。

(11)接触検知機能
接触時(荷重がわずかに変化したとき)、変位表示を自動ゼロリセットする機能です。接触点からの変位量を測定したい場合に利用できます。SL-6001型荷重変位計には標準装備されています。

(12)コンパレータ機能
コンパレータ機能は、デジタル設定器を使う「ハード的」な方法と、パソコンソフトを使用する「ソフト的」な方法の2通りあります。「ハード的」な方法は、上限値・下限値を設定できる設定器に制御したい荷重または変位値を設定し、上限値より大きい「HI」の状態、上限値と下限値の間にある「GO」の状態、下限値より小さい「LO」の状態の信号により試験機を制御します。「ソフト的」な方法は、制御したい荷重または変位値をパソコンの画面で設定します。専用ソフト(PC-コンパレータ)が必要です。コンパレータ機能を使う制御の基本的なものは、下記1〜4のどれかを選択し、予め試験機の制御シーケンスを対応させておく必要があります。「ソフト的」な方法の場合は、専用ソフトのメニューで4種類を自由に切り替え使用することができます。。
1. 所定荷重まで荷重をかけ、停止または反転させる
荷重設定器1個のコンパレータで行います。所定荷重を設定し、試験機を運転すると所定荷重で停止または反転動作をします。所定荷重で所定時間停止させたい場合は、タイマ付の仕様もあります。
2. 所定荷重間で運転を行う
荷重設定器2個のコンパレータで行います。下限設定値と上限設定値で設定した荷重の間で運転できます。所定荷重間で繰り返し運転を行う場合は、繰り返し回数を設定するカウンタ付の仕様もあります。
3. 所定変位間で運転を行う
変位設定器2個のコンパレータで行います。下限設定値と上限設定値で設定した変位の間で運転できます。所定変位間で繰り返し運転を行う場合は、繰り返し回数を設定するカウンタ付の仕様もあります。
4. 一定荷重を所定時間維持したい場合
荷重をかけ試験機を停止した場合、荷重値は時間の経過と共に徐々に減っていきます。これは、試料・ロードセルがクリープすることにより生じる現象です。一定荷重を維持するためには、減少した分の荷重を元に戻すように試験機を運転する必要があります。このような運転を行うには、荷重設定器2個のコンパレータで維持する荷重範囲を決め、つねに上下限の設定値内にあるよう運転させます。

コンパレータの設定器例剥離試験例